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押尾学:保護責任者遺棄致死等の刑事裁判、第5回公判

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2010/09/15(水)
押尾学:元俳優

押尾学0 

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#略歴については、押尾学:麻薬取締法違反(使用)の疑いで逮捕を、参照してください

初公判第2回公判第3回公判第4回公判

合成麻薬MDMAを一緒に飲んで容体が急変した飲食店従業員、田中香織さん=当時(30)=を放置し死亡させたとして、保護責任者遺棄致死など4つの罪に問われた元俳優、押尾学被告人(32)の裁判員裁判の第5回公判が9月10日、東京地裁(山口裕之裁判長)で始まった。

法廷は東京地裁最大の104号。
午前10時3分、山口裁判長が声を発した

裁判長「それでは入廷を」

午前10時5分
裁判長「それでは開廷します」

男性検察官が「進行の予定について意見があります」と裁判長に発言の許可を求めた。

検察官「今日の証人の証言は若干、専門的な説明になります。場合によっては時間のご配慮をお願いします」

裁判長「結構です。それでは、入ってもらってください」

中年男性が証言台の前に進み出た。
山口裁判長の指示で「証言にうそ偽りがないことを誓う」と落ち着いた声で宣誓を行う。
男性検察官が質問に立った。

検察官「それでは、証人の経歴から質問します。昭和大学医学部教授で、救急医学講座主任でいらっしゃいますね」

証人「はい」

検察官「どういうお仕事を?」

証人「研究、診療、医学部生への教育の3つです」

検察官「現場で診療には携わっていらっしゃらないんですか」

証人「(大学病院の)救急医療センター長もしており、大学病院で朝の回診もします」

検察官「被害者が急性薬物中毒で亡くなったことは、鑑定書などをお読みになり、ご存じですね」

証人「はい」

検察官「では資料を示します」

田中さんがMDMAを飲み、死亡に至るまでの症状の変化を書いた資料が、法廷に設置された大型モニターに映し出される。「午後6時20分、突然、目を開いたまま、ベッドに倒れる」などの症状が時系列に従って書き込まれている。

検察官「症状変化についてうかがいたいと思います。(提示した資料には)『みけんにしわを寄せてハングル語のような言葉で誰かにブツブツ文句を言う』『掛け金が…』『もっとしっかりしろ!』と怒鳴り始めるとありますが、これはMDMAの症状といえますか」

証人「MDMAの効果の表れと考えられます」
「多い少ないの『多い』に幸福の『幸』と書いて『多幸感』といいますが、多幸感や気分の高揚だとかが期待される薬物が、より強く脳に作用することによって幻覚や妄想などの変動が起きます」

検察官「期待している多幸感を超えて妄想に陥ったということですか」

証人「脳に作用して気分がよくなったり、幸せを感じる作用が、より強く作用して幻覚の症状が出ます。見えないかもしれないものが見えたり、聞こえない声が聞こえたりしてしまいます」

証人の医師は一言一言、言葉を選びながら答えていく。できるだけ裁判員らにも分かりやすいようにと苦心しているようだ。

証人「感情の変化…。感情の『情』に『動く』と書きますが、『情動』の変化が表れています」

検察官「(資料に)『歯をくいしばって、両手を上下する』とありますが、これもMDMAの効果の表れでしょうか」

証人「そのように考えてよろしいかと思います」

検察官「どのような効果でしょうか」

証人「情動の変化。幻覚妄想ということがありますが、『上下に両手を動かす』というのは、意識せずに勝手に動いてしまうものです。『不随意運動』といってけいれんなどと同じものです」

検察官「不随意運動とは、脳が勝手に信号を送り、体が動いてしまうことですか」

証人「はい。今回のこの状況はおそらく、でたらめな信号が勝手に出て、体が動き出したのでしょう」


検察官が「表で緑のマーカーがひかれた部分について伺います」と続けた。
表では、「両目を大きく開き、黒目を左右にギョロギョロ動かし、白目をむき出して、映画の『エクソシスト』みたいになった」という部分に緑のマーカーがひかれている。

検察官「これはMDMA中毒による症状なのでしょうか」

証人「はい。白目というのは、眼球がかなり上の方を向いた状態になっていたとみられます。これは、目に関する痙攣(けいれん)が起きていたと考えられます」

検察官「表で青、オレンジ、緑のマーカーがひかれた部分の(症状の)推移は、MDMAの血中濃度が高くなった結果といえますか」
青マーカー部分:「質問にしわを寄せながら、ハングル語のような言葉で、誰かに文句を言うようにブツブツとしゃべり出した」
オレンジマーカー部分:「歯を食いしばってうなり声を上げ、拳を握りしめた両腕を上下に動かした」
いずれも午後5時50分ごろに起きたとされる異変。

証人「低くなっているとは思えません。(血中濃度が)上がっていると想像します」


検察官「黄色のマーカーがひかれた部分を見て、MDMAにより意識障害が進んでいるといえますか」
黄色のマーカー部分:「アゲちゃん(田中さん)の肩をゆすったり、頬をたたいたりしながら『おい、しっかりしろよ』と声をかけたが、『うーっ』とうなり声を上げるだけで会話はしなくなった」とする、午後6時から6時20分ごろの異変。

証人「はい。通常、寝ている人をつねったりすると目を覚ます、つまり覚醒(かくせい)します。ただ、意識障害が強いと、つねったりたたいたりしても動きません。その中間だと、手を振り払うなどの動作を行ったりします。つまり、この症状は意識の覚醒の障害といえます」

検察官「表の午後6時20分ごろの部分ですが、『突然目を開いたまま、あおむけにベッドに倒れる。息が止まっているみたいだった。手首の脈をみたが、脈は打っていないみたいだった』という記述があります。この症状についてはどう考えますか」
#赤マーカー部分

証人「広い意味で、全身痙攣発作が起こって倒れたと考えてもいいかもしれません。ただ、MDMAの障害が深くなって心臓に作用し、心臓が止まってしまったのかもしれません」

検察官「青マーカー部分から赤マーカー部分までの経過を第3者が見て、119番通報することは期待できますか」

証人「どこかで119番通報すると思います」

検察官「具体的には、どの部分で通報すると思いますか」

証人「一言でいうと、周囲の人が通報する場合は、自らの日常の領域から見て(患者の症状が)おかしいと思ったときに119番通報することがほとんどです」

検察官「この表でいうと?」

証人「ハングル語のような言葉を発したという状態で救急隊を呼ぶのが普通です。この水準で十分です」

検察官「MDMAを服用してから、心停止となるまでの経過を説明してください」

証人「この薬を服用する人は、脳に対する影響を期待して服用します。(MDMAに含まれる)アンフェタミンなどの作用は、交感神経系を興奮させます。頻脈、つまり脈を早く打つなどの症状がでます。これがひどくなると不整脈になることもあります。脈をたくさん打つということは、心臓への負担が高くなります。そのほかの臓器はよりたくさん、心臓からの血液供給を求める。そうすると、相対的に心臓が弱くなります。勢いよく(急激に)弱ると、急性心不全となることもあります」

検察官「MDMAで、全身に酸素が行き渡らなくなると、それ自体が心臓の機能を弱めてしまいますか」

証人「はい」

検察官「肺臓にも負担がかかり、肺水腫になりますか」

証人「(そう考えて)よろしいと思います」

検察官「田中さんの救命の可能性についてお聞きします。心室細動が起こる前に、救命センターに搬送できたことを前提に救命の可能性についてお聞きします。救急隊がMDMAを摂取した田中さんに接触したらどうしますか」

証人「救急隊は基本的には酸素を投与することができます。除細動器を使ったり、気道の確保をして、場合によっては、点滴もできます。意識状態が多少悪ければ、あごの先を少し上にあげるなど、気道の確保をして酸素を投与します。血液の中にどれくらい酸素がまわっているのかという酸素飽和度をはかるモニターを指先につけたりして搬送すると思います」

検察官「救急隊からMDMAの患者さんをひきついだ場合、医師はどうしますか」

検察側は「田中さんの容体急変から死亡までは約1時間あり、押尾被告が直ちに119番通報していたら救命することができた」
弁護側は「田中さんは急死で、救急車を呼んでも救命可能性は低かった」

証人「多くの薬物中毒では、最終的に責任のある薬物が何か判明するのは時間がたってからです」
証人「気道を確保すること、場合によっては肺水腫などがあって、100%の酸素をマスクで与えても、十分に体に取り入れられないというときには、直接、肺臓に管を入れて、100%の酸素を流さねばならない。肺臓に気管挿管して、人工呼吸器につないで、体に酸素が十分にいくようにします。心臓は心電図をモニターします。血圧も測ります。脈拍が多くて、心臓に負担がかかるなら、コントロールする薬を使います。そして、集中治療室に患者さんを運んで、ディスカッションしながら治療します」

検察官「(薬物が)MDMAと分かっていたら治療はやりやすいですか」

証人「なんでこんなに体温が高いのか、あの薬の影響だよね、と。薬物が何か分かっていれば、治療をあらかじめ作戦の中に入れておけるので」

検察官「体温が高くなるとどういう影響がありますか」

証人「非常に困るのは脳です。脳の蘇生(そせい)、もとに戻る力を弱めるので。脳が想像以上に痛んでいる場合は、(体温を)低くします」

証人「私たちの体の細胞はまともにきちっと生き続けるには、(体温は)37度程度に保たなければいけないんです。それが、ほ乳類の基本ですので。高体温は全く困った状態です」

検察官「救命行為をしたなら、心室細動が起こった可能性は低いですか」

証人「それは分かりません。胃袋に薬が残っているという状況を想定するなら胃を洗浄しますが、そうは言っても、胃をきれいに洗ったところで、腸に流れていって、吸収される可能性はある。治療を開始しても心室細動は起こる可能性はありますが、薬が何なのか分かるというなら、どんなことが起こるか想像できるので、心室細動が起こるのも想像できます」

検察官「医師の前で心室細動が起こった場合、除細動の成功率はどうですか?」

証人「9割以上が成功することになると思います」
証人「先ほど成功率は9割方オーケーと言った。しかし、心臓に責任があるわけではないので、体の状況を整えながら、除細動器を使えば、心細動を制御できるだろうと考えます」

検察官「心室細動が再び起こっても、除細動器を使用しますか」

証人「そうです。だから集中治療室で処置を行います」

検察官「除細動器で心室細動が回復しなかったらどうするのでしょうか」

証人「心臓は体に血液を送るためのポンプの役割を果たしています。十分にポンプの役割を果たしてもらうため、胸全体の圧力の問題があるとはいえ、心臓マッサージを行います。心臓に血液が戻るように押し出す方法もあります。病院では人工心肺を使い、体の血圧を維持し、血液を体に回します」

検察官「救急隊員の前で心室細動が起きなくても、病院へ戻ったときに発生した場合の救命可能性はどうでしょうか」

証人「薬物が体からひいてしまえば塩がひくような感じになります。例えば脳の病気では、心室細動で制御ができたとしても元に戻ることはありません。脳死の状態であり、救命の可能性はないでしょう。しかし病院で心室細動が起きた場合ですと、かなり高い確率で救命できます。(田中さんは)若い女性なので9割方助かるのではないでしょうか」

検察官「仮に救急隊員の前で心室細動が起きれば、AEDは使用するのですか」

証人「使う間もなく搬送となれば搬送します。あとは心臓マッサージです。心臓マッサージは大したことないと思われがちですが、状況によっては長い時間行います。マッサージしているときは意識があるのに、止めれば話ができなくなるといったこともあります。きちんとやれば効果は高いのです。救急隊は血流が維持された段階で搬送するだろうと考えます」

検察官「MDMAを服用し、中毒が起きてから数分から10分程度で亡くなることはあるでしょうか」

証人「そういうスピードではないでしょう。青、オレンジ、緑、黄色。血液の濃度によって症状が起こりますが、脳は階段を昇るように悪くなります。数分を階段に置き換えると、ピョンピョンとウサギ跳びのように階段を昇るようなものです。おそらく階段を昇るための1つのプロセスでは、5~10分程度の時間がかかります。どんなに考えても数十分かかると考えるでしょう」

検察官の尋問が終了。
男性弁護人が質問。

弁護人「(田中さんの)血中のMDMA濃度が高かったことはご存じですか」

証人「致死量を超えているとのことです」

弁護人「一般的な致死量はどの程度だと考えておられますか」

証人「それは個別具体的で専門的なことなので分かりません」

弁護人「これまでにもMDMA服用による死亡例はあります。この際の血中濃度は?」

証人「個別具体的なことは分かりません」

弁護人「鑑定によると、血中1ミリリットルあたり15・1マイクログラムのMDMAが含まれておりましたが、これは数値として高いのでしょうか?」

証人「鑑定ならばその通りでしょうが、致死量を超えたからといって必ず死ぬわけではありません」
証人「致死量とは死亡者の血中濃度を集めて、ある程度調べたデータです。ただ(血中濃度が)非常に高いと思ったことは間違いありません」

弁護人「例えば、3~5マイクログラムの量のMDMAで、死亡に至った例というのはありますか?」

証人「それはケースによってバラエティーがあると思います。アルコールの血中濃度と同じで、問題は量ではありません」

弁護人「(田中さんが死亡した平成21年8月2日)午後5時50分ごろの状況を示した別紙をもう一度ご覧頂けますか」

弁護人「押尾さんは田中さんに『大丈夫か』と声をかけると、田中さんは肩の力を抜き、『あー、マーくんごめんね』と答えています。この状態だと、正気に戻った様子ともとれますが、一般の人がもう大丈夫と思い、119番通報しないということは考えられますか」

証人「それはあると思います」

弁護人「MDMAによる死亡の機序(順序)についてですが、肺水腫や交感神経の過興奮などを経て、呼吸不全で亡くなるということは考えられますか」

証人「機序としては考えられます。ただ、あくまでも臨床なので。今回については、心臓が原因だと思います。肺水腫だけが進行して、心臓がすでに止まっているのは極めてまれです。検察側がおつくりになった(死亡までの)機序は正しいのではないかと思います。(田中さんが)亡くなられたケースについては、心臓に理由があると思うのが妥当だろうと考えられます」

弁護人「(田中さんには)高体温の症状もあったようですが、その点についてはいかがでしょうか」

証人「具体的な記載についてはよく分からないのですが…」

弁護人「それでは、救急隊が肺水腫や高体温について、適切な治療ができると考えられるでしょうか」

証人「例えば、救急隊の作業の範囲でいえば、高体温、熱中症などでもそうですが、身体を冷やすことが考えられます。また、肺水腫については、肺の中で空気中の酸素などを取り込む肺胞の部分に体液が漏れ出す症状です。これについては、残念ながら、救急隊が『直接的』に何かしらの治療ができるということはありません」
「肺水腫の治療については気管挿管で高い濃度の酸素を送る方法があります。最終的にはいわゆるPEEP法による対処となります。救急隊にも論理的にはできますが…」

弁護人「本格的な治療、ということになると、病院でのPEEP法になるということでしょうか」

証人「はい。(PEEP法とは)病院で人工呼吸器を使用し、身体に回る酸素の量を調節する。集中治療室での作業ということになるでしょう」

弁護人「セロトニン症候群(自律神経などに悪影響を及ぼす症状)についてはいかがでしょうか」

証人「私は、セロトニン症候群についてはよく知りませんが」

弁護人「田中さんが高体温であったことなどから、亡くなった原因がセロトニン症候群と関係があるのではないでしょうか」

証人「悪性の過高熱、熱中症などもそうですが、おっしゃるように、概念上は(死亡の)要因としてオーバーラップする部分はあるかもしれません」

弁護人「セロトニン症候群に罹患(りかん)していると、MDMAなどの服用により、多臓器不全となる恐れはありますが」

証人「MDMAの治療の機序として、多臓器不全となる場合が多いということが書いてある教科書があったと仮定してお話しします。例えば、尿が出なければ、透析をするなどの対応があります。ただ、それは治療の場面でそうした実態、臨床のケースがあるというだけであって、直接的な患者の治療については、『だから何なの?』という話になってしまいますが…」

弁護人「救命率についてお伺いします。心臓で心細動が起きた場合、除細動器を使えば、かなりの確率で救命できるということですね」

証人「恐らく、病態そのものに劇的な改善がなければ、心臓そのものに原因があると考えられる。よしんば、瞬間的に症状が良くなったとしても、心機能が低下していれば、治療は悲観的にならざるを得ないのです。自律神経系の作用としても症状が表れていれば、時々除細動器を使いながら、厳しい容体という『台風が過ぎ去る』のを待つような治療になるでしょう」

弁護人「MDMAの解毒剤のようなものはあるのですか」

証人「ないということになっています。あれば多くの施設で使うでしょう。ただ、MDMA中毒の治療は、総合的な戦略を立ててから行うもので、瞬間的には薬でMDMAの血中濃度を下げられても、元のもくあみに戻る場合もある」

弁護人「MDMAの血中濃度が高いと、時間とともに下がるものですか。時間はかかるものですか」

証人「どんなに頑張っても、3日から1週間はたたないと血中濃度は下がりません。剖検(病理解剖)のときの濃度は致死量をはるかに超えているので、3日から1週間かかったであろうことは、確信を持てます」

弁護人「過去の経験で、これだけの高濃度の患者さんはいましたか」

証人「薬を飲んだかについては、カンファレンス(病院内での会議)で議論になるが、濃度については、高いのが前提なので記憶はありません」

女性弁護人が質問。

弁護人「先ほどのお話では、MDMAによる心室細動は、除細動が効きやすいということでよろしいでしょうか」

証人「心臓自体に(心室細動の)原因があると、心筋梗塞(こうそく)で心臓全体にダメージがあります。ただMDMAの中毒の場合はそうではないです」

弁護人「MDMAのような薬物で起きた心室細動は、難治性ということでしょうか」

証人「MDMAによる心室細動がすべて難治性で、PCPS(人工心肺)を使わないといけないというわけではありません」

弁護人「病院内では、心室細動はほぼ治療できるということでよろしいのでしょうか」

証人「集中治療室にいれば、看護婦も含めてAEDを使える医療者がいるので、ほぼ全例について蘇生(そせい)できます」

女性弁護人の質問は終了

向かって右から3番目の女性裁判員が質問。

裁判員「裁判員3番です。病院ではなく部屋の中でMDMAを過剰摂取した場合、人工呼吸や心臓マッサージをしただけでは蘇生は困難ということでしょうか」

証人「おかしいと思った人が目の前にいた場合、人工呼吸と心臓マッサージをすることで、社会復帰の可能性が高まるのは事実です。そういうことを、死ぬだろうからやらないとか、死ななそうだからやるとかではなく、そういう措置をするのは心肺蘇生にかかる現代人の作法です。そういうことをしないと、脳をやられてしまうので社会復帰が困難になります」

裁判員「そのほかに、救急センターに電話をすることが必要ということでしょうか」

証人「センターに電話というより、119番にコールして119を受けた側が搬送先を決めるので、居合わせた人が救急センターに連絡することはありえません」

向かって左から2番目の男性裁判員が質問。

裁判員「心肺停止の手前で救急隊員が治療を行えば、助かる可能性は高いですか」

証人「心臓がまだかすかでも動いている状況で心臓マッサージなどをすれば、かなり高いです。1分たつと生存の可能性が6~7%減るとすると、6、7分で生存可能性は半分近くになります」

左から3番目の男性裁判員が質問。

裁判員「(MDMAを)服用したことがない人と常習の人で(心停止などの)発症する確率は違いますか」

証人「日常的にお酒を飲み、アルコールを摂取している状況と同じで、何回も服用している人は症状が違います。ただ、常習の人の問題点は複雑で、自立神経症状に影響はあると思うが一概にいえない」

裁判員「耐性が生まれるかという意味において、症状に差がでますか」

証人「(常習の人は)多めの服用が必要という差は出てくると想像します」

裁判員「現場で救急隊員から情報を受ける場合は多いのですか」

証人「ほとんど受けますし、使った薬の殻、いっぱい置いてある薬物について報告を受けますし、それらをかき集めて病院に持っていきます」

裁判員「現場からの情報は救命活動に相当左右する?」

証人「そうです」

向かって右側の裁判官が質問。

裁判官「MDMAの症状は(急にでなく)プロセスを経て悪化すると説明されましたが、どのような段階があるのでしょうか」

証人「気分の高揚状態や意識水準の深さでさまざまですが、3段階ぐらいをへて、自立神経の症状が深刻となり、心肺停止につながります。一気に行くわけではなく、一定の時間がかかります」

裁判官「5~10分はかかるということですか」

証人「幻覚やもうろうとした状態が1分で終わるということは、外から静脈注射などをしない限り、人体のメカニズムとしては考えにくい。10~20分の時間をへて次の段階に行く」

裁判官「心肺停止まで10分程度ではいかない」

証人「そう思います」

裁判官「幻覚症状から心肺停止まで30分ぐらいはかかるということですか」

証人「現状の医学的な見地からいえば、私はそう思います」

裁判官「病院に搬送中に心肺停止状態になった場合はどの程度助かるのでしょうか」

証人「病院であった場合は100%に近いといえますが、9割方といえるかもしれません。また、救急隊員が心臓マッサージを現場で行っていれば、8割方助かっていると思います」

向かって左側の男性裁判官が質問。

裁判官「救急隊員が現場にいってすでに心肺停止だった場合、どれくらいの時間で救命可能性は変わってくるのですか」

証人「1分間で7%近く生存可能性は下がります。5分だとしたら、35%減るという計算で65%の可能性で助かるだろうと思われます」

裁判官「65%というのは単純な生存可能性ということですね」

証人「そうです」

山口裁判長が「もう少しおつきあいお願いします」と、疲れた様子をみせはじめている証人の医師に声をかけ、質問を続けた》

裁判長「(みけんにしわをよせるなど)症状が出てから死ぬまで数十分かかるのが妥当と説明されたが、その『数』というのはいくつですか」

証人「30~40分ぐらいです」

裁判長「30~40分というのは心肺停止までの時間と考えてもいい?」

証人「そうです」

裁判長「昏睡(こんすい)に近い状況から心臓に影響が出るまでの時間はどのぐらいですか」

証人「難しい質問です。10~20分ぐらいが普通と考えます」

裁判長「どのような状態でどのような医療措置が大事になってくるのですか」

証人「救急隊員が現場で患者と接する段階が重要になってきます」

裁判長「どの段階で救急隊員が接触すれば救命の可能性は高いのですか」  

証人「昏睡に近い状態だったら、まず間違いなく助けることができます。100人いれば、90人以上助けることができる。医師がいるのとほぼ同じように、救急隊員は動けます」

裁判長「心肺停止に近い状況で救急隊員が接触した場合は?」

証人「行ってすぐ、(心肺停止から)5分ぐらいなら高い確率で生きる可能性はあったと思います」

裁判長は「ごくろうさまでした」と長時間の証言をねぎらい、証人の尋問が終了。
午後の証人尋問の時間調整を行った。
午後は約1時間の休廷をはさんで開廷。

午後の証人尋問は、“続き”を見てください。

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*約1時間の休廷の後、午後1時15分、審理が再開。
山口裕之裁判長が開廷を告げる。
証人が入廷した。都立墨東病院胸部心臓血管外科の医長。

男性検察官が質問。

検察官「田中さんが亡くなられたのはご存じですか」

証人「はい」

検察官「死亡鑑定書は見ましたか」

証人「はい」

検察官「死因は?」

証人「不整脈による急性心不全と考えます。MDMAが検出されておりますので、薬理的作用によって脈が速くなるタイプの不整脈で、それが徐々に心臓に負担をかけ、肺水腫を起こしたと」

検察官「容体が悪くなってから、死亡するまでの経過時間はどれくらいかかると考えますか」

証人「鑑定書を見ますと、重症の肺水腫を引き起こしています。どんなに短くても30分。1時間、2時間はかけないと、あれほど重症の肺水腫はつくられない」

検察官「心臓が止まった後に、口から泡を吹くことはありますか」

証人「ありません」

検察官「肺水腫を発症した場合、周囲にいる人は、肺水腫だとは分からなくても、何か体に異変が起こっているのか分かるでしょうか」

証人「肺水腫は、簡単に言いますと、人間の血液の体の循環が悪くなって、肺に負担がかかります。乾燥した食器洗い用のスポンジを想像してください。ここに水がしみてくると、これが重たくふくらんで硬くなる。当然、空気が満たす部分が少なくなる。これは瞬時に起こるものではありません。口から泡を吐き、最初はせき、息苦しくなり、これは患者さんがよく使う表現なんですが、真綿で首を絞められたような息苦しさがどんどん、どうにもこうにも最終的にはもがき苦しんで絶命します。まわりにいる人間も分かる」

検察官「今回、心室細動が起こる前に救急車が到着し、先生のもとに運ばれていたら救命の可能性はどうでしょうか」

証人「体の中に致命的に修復不可能な状態ではなかった。ちゃんと循環を再開させれば、この方は救命できた。9割以上の確率であったと私は推測します」

検察官が尋問終了。
女性弁護士が質問。

弁護人「救急隊が病院に搬送の途中に、患者さんが心肺停止になった場合、一般的な救命の確率は?」

証人「私は救命センターのものではないので、脳梗塞(こうそく)とか一般の範囲は広いので、ケース・バイ・ケースだと思います」

弁護人は、証人がかつて検察官に対し、救命の確率が50%と主張していたと指摘する。
検察官から「引用するなら正確に引用してほしい」と要求されたため、資料の該当個所を読み上げ始めた。

弁護人「『午後6時20分ごろに死亡を前提として、午後6時に通報した場合、搬送途中で心肺停止した場合の救命率は50%から90%になる』…。このようなご見解を述べていますね」

証人「はい」

弁護人「救急車の中で心肺停止しますと何をしますか」

証人「救急隊の方に聞いていただいた方がよいのですが、一般的には、救急車の中でもモニター、心電図をつけますので、救急車の中であろうと心臓マッサージや人工呼吸をただちに開始すると思います」

弁護人「あおむけにして胸を押す?」

証人「そうです」

弁護人「あおむけになると肺水腫の影響は」

証人「あおむけになると息苦しくなりますが、最近は救急車でも患者さんの状態に合わせて体位を変えられます」

弁護人「体位を少し起こした状態で心臓マッサージができますか」

証人「心臓マッサージをするときはすでに意識がないので、フラットな状態で行います」

弁護人「田中さんが、ほぼ1時間おきに、(午後)3時前、4時前、5時10分前くらいに追加して薬物を摂取した場合、治療にあたって特別に考慮することはありますか」

証人「質問の意味がよく分かりません」

男性弁護士が質問。

弁護人「あぐらをかくというのが肺水腫の症状の一つの表れということでいいですか」

証人「これは類推ですが、あおむけだと患者さんが息苦しいので起きあがる、これを『起座呼吸』、『起きあがる』に、座禅の『座』と書きますが、たぶんその呼吸じゃないかと思いますが、確信はありません」

弁護人「肺水腫を患った傷病者はどの段階であぐらをかくのでしょうか」

証人「ケース・バイ・ケースで何とも言えません。最後まで訴えられない方もいます」

弁護人「田中さんの場合は、心不全と肺水腫を併発して亡くなったということですか」

証人「心不全となり、肺水腫で亡くなったと考えてもらいたいです」

弁護人「そのあと、心室細動が起き、心停止に至ったということでしょうか」

証人「そうです」

弁護人「併発とはいえないのでしょうか」

男性検察官が立ち上がり、異議を申し立てる。

検察官「肺水腫とは現象であり、死因を両立して言っても答えられないのではないでしょうか」

弁護人「交感神経の過興奮から呼吸不全で亡くなるとは考えられますか」

証人「呼吸不全は幅が広く、いろんな原因で起こるので答えにくいです」

弁護人「肺水腫の根本治療は救急隊でできるのでしょうか」

証人「一番大事なことは血液の循環を保つことです。救急隊員は口から肺に詰まった泡を除去し、心臓マッサージなどの有効な循環回復ができます。一般の方には無理でも医師はもちろん、救急隊員以上なら可能だと思います。肺水腫の根本治療は不可能でも、取り返しのつかない事態になるまでの時間稼ぎはできるということです」

検察官「田中さんのケースの場合、救急隊が心臓停止前に現場に到着したとして、救命可能性は50%くらいですか」

証人「いや、もっと高いでしょう」

検察官「高体温が原因で亡くなったということを弁護人は聞きたいようですが、体温が高いことが症状悪化につながるのでしょうか」

証人「セロトニン症候群になれば、救命は難しいが、そこに至ったかを判断することは難しいです」

検察官「鑑定書からセロトニン症候群は認められますか」

セロトニン症候群とは、脳内のセロトニン濃度が高すぎることによって引き起こされる症状で、自律神経などに深刻な影響を与える。

証人「認められません」

検察官「薬物を飲んだ量は関係ありますか」

証人「量によって症状のスピードに変化はありません。血液中の濃度が上がるスピードも変わりません」

別の男性検察官が質問。

検察官「起座呼吸は苦しいのでしょうか」

証人「相当苦しいです。言葉になりません。突然言葉や奇声を発するようになり、空をつかもうとしたりします。意味不明な言動を取ろうとすれば周囲も分かります」

検察官「症状が表れたとき、周りの人が救急車を呼ぶことを期待できますか」

証人「通常の社会観念を持っていれば呼ぶべきです」

向かって右側の男性裁判官が質問を開始。

裁判官「重症の肺水腫で、症状が表れてから少なくとも30分がたったとありましたが、発症の時点はいつごろですか」

証人「MDMAを飲めば必ず発症するということはありません。どのくらいから始まったかは分からないです」

裁判官「中毒患者は意識障害も生じますが、不整脈と意識障害はともに起きるのでしょうか。それとも一定の段階を経るのでしょうか」

証人「MDMAは興奮剤です。幻覚作用や酩酊(めいてい)作用はありません。『ハイ』の状態になるのが一般的です。意識がなくなることはほとんどありません。田中さんは低酸素脳症。肺の中に水がたまり、徐々に進行していったと考えられます」

裁判官「被害者が痙攣(けいれん)したり、壁に何かを言っていたのは血中の酸素が少なくなっていたからですか」

証人「わめいたり、うめき声を上げたりというのは症状の一つです。肺水腫が起きてから意識障害が生じたと考えられます」

裁判長「肺水腫の30分という時間はどういうことを意味するのでしょうか」

証人「肺水腫が進行し、死に至るには少なくとも30分の時間が必要であり、通常は1~2時間かかります」

法廷内の大型モニターに田中さんの死亡までの経緯について記した経過表が映し出される。

裁判長「肺水腫はどの時点で起きたと考えられますか」

証人「断定はできないが、ベッドの上で突然容体が変化したあたりです。5時50分ごろに肺水腫が起きたのではないでしょうか」

裁判長「時間は気にしないで構いません」

法廷内の左右の大型モニターには、田中さんが
 「ベッドで突然あぐらをかいて、意味不明の言葉を発するようになった」状態(青色)
 「無表情で一点をにらみつけ、うなる」などの状態
 「目を開けたままあおむけに突然倒れる」状態(赤色)

裁判長「肺水腫の症状が出るまでに、青の症状から赤の症状までは、先生のこれまでの経験からすると30分はないとおかしいですか」

証人「はい、その通りです。そう考えていただいて結構です」

裁判長「ベッドであぐらをかいたのは、心臓に症状が出ていたためですか」

証人は、どう答えればいいのか悩んでいるようで、証言台に座ったまま下を向いている。

裁判長「時間の経過を知りたいので専門家の見地から聞いています。もう一回聞きますが、あぐらをかいてから脈を打たなくなるまでに30分以上ないとおかしいということですか」

証人「はい、そう考えてもらって結構です」

男性医師への質問は終了。

次の証人が入廷した。
男性は裁判長に促されて、自分の氏名と宣誓書を読み上げた。

検察官の質問。

検察官「あなたは田中さんのお父さまですね」

証人「はい」

検察官「香織さんが生まれたときはどんな気持ちでしたか」

証人「待ち望んでいた子だったのでうれしく思いました」

検察官「小さなころは父親の後をトイレまでついてきたそうですね」

証人「はい。仕事から昼過ぎに帰ってくると、風呂もトイレにもついてきました」

検察官は、田中さんの子供のときの写真を検察官、弁護人、裁判官の席のモニターに映し出して、質問していく。法廷内の大型モニターには映されない。

検察官「次の写真は、大人になってからお父さんとお酒を飲んでいるときの写真ですね。家族でよくこういう風に楽しんだんですか」

証人「家族4人で東京で居酒屋で飲んでいるときの写真です。今ではもう飲めません。残念です」

続いて父親は、検察官にうながされて押尾被告への手紙を読み上げはじめた。手紙を持つ両手はふるえ、涙声で読み上げていく。

証人「私が残念で仕方がないのは、押尾被告が何で娘が苦しんでいるときに、119番通報して救急車を呼ばなかったのかということです。もし救急車を呼んで治療してもらっていれば助かったかもしれないし、助からなくても親として納得ができたと思います。それどころか、証拠隠滅や責任をなすりつける行為を行っているのは親として許せません。親としてはこの事件の最高の刑で罪を償ってほしいと思います」

次に田中さんの母親が証人として入廷。氏名と宣誓書を読み上げる。
検察官が質問。

検察官「申し上げにくいことだが、香織さんもMDMAを服用していましたね。香織さんの行いに非難するべき点もあったのはお分かりでしょうか」

証人「娘が自分で歩いて部屋に行ってMDMAを服用したのは、娘も罪を犯したのだとずっと思っていました。被告に奥さんとお子さんがいるというのを聞いてからは、胸が痛む思いでした」

検察官「香織さんは以前結婚していましたが、子供さんはいませんでしたね?」

証人「はい」

検察官「その関係で香織さんはある“戒め”をかけていましたがご存じですか」

証人「娘が入れ墨を入れたことでしょうか。私も主人と一緒にそのことを聞かされたのは、娘が20歳過ぎのことでした。そのころ、娘は『どうしても産めなかった子供の命を弔った』と話してくれました。『一生その子のことを忘れずに暮らさないといけないけど、時間がたつと忘れてしまう。だから、そのときの赤ちゃんと一緒にいるために入れ墨をいれたんだ』と話してくれました」
「赤ちゃんが笑った顔と花をモチーフにしてあります。そう話した娘に、主人は一言も言いませんでした。私は(このことを)胸に刻んでいました」

検察官「暴力団との交際の中で入れたのではないのですね」

証人「はい。それは10年前のことです」

検察官「最後に、お母さんはメモに書いてきてくれたのでそれを朗読してもかまいませんでしょうか」

証人「香織が亡くなる1カ月ほど前に、香織の弟夫婦と私たち夫婦の4人で、香織の家に旅行に行ったことがありました。そのときの話で忘れられないことがあります。香織の父親は運送会社を定年を延長して働いていましたが、ころ合いを見て引退するつもりでした。そのことで香織から頼まれたことがあります」
「『おっ父は、大きなトラックの運転手をして育ててくれた。私はおっ父が最後と決めた日に、弁当を作って送り出したい。かならずその日を伝えてちょうだい』と頼まれました。主人がトラックを降りると決めたのは、娘が亡くなった(昨年)8月の翌9月の30日でした。知らせてあげられませんでした」
「昨年8月2日の夜、失われていく命を前にして、大切な娘の命とはかりにかけたのは、被告が失いたくなかったのは何だったのでしょうか! 娘が亡くなってから亡くなった人を思ったことはありますか。私たちはわびてほしいとは言っていません」
「亡くなった人の冥福(めいふく)を思う気持ちが感じられません。実際、私たちははがき一枚受け取っていません。あまりにも無責任で、人の心が感じられません。親として望むのはただ一つ。娘の人生に残されていたであろう時間と同じぐらい長い刑と、娘の命と同じぐらい重い刑を望みます」

弁護側が証拠採用に合意した供述調書などについて、検察官が読み上げる。

検察官の供述調書の読み上げが始まる。押尾被告の経歴や戸籍、前科調書、事件にかかわる押尾被告の供述経過が5分ほどかけて読み上げられる。

山口裁判長が休廷を告げた。
約30分間の休廷。



押尾被告を最初に取り調べた男性検事の証人尋問。

検察官「最初に(押尾被告の)取り調べを行ったのは?」

証人「昨年8月に、MDMAの使用で起訴された直後です。死亡の事実については参考人という形で聞きました」

検察官「具体的な供述は?」

証人「MDMAを飲んで2回セックスして、直後におかしくなった。ハングルのような言葉を言うようになり、最終的に高まって『エクソシスト』みたいなすごい状況になったと言っていました」

検察官「昨年8月の段階からエクソシストという言葉は押尾被告が使っていた?」

証人「そうです」

検察官「死亡時刻については?」

証人「(押尾被告の元マネジャー)△△(法廷では実名)が来る5~10分前の7時40分ごろに亡くなったと言っていました」

男性検察官は、証人の男性検事がその後、今年1月まで取り調べを行っていないことなど経緯を確かめた。

検察官「送致事実などについて認否を確認したと思いますが、どういうことを言っていましたか」

証人「覚えているのは開口一番に、まるで丸暗記していたことをはき出すように『6時からエクソシスト状態になって、15分ごろ急死したから助けられなかった』などとまくしたてられたことです」

検察官「午後6時15分に急死した根拠については、なんと言っていましたか」

証人「午後5時12分に妻にメールした後、2度目のセックスを30分ぐらいして、少し休憩しておかしくなった。30分ぐらいして亡くなった。その時間経過から考えると午後6時15分ということでした」

検察官「おかしくなって死んだ。その30分という根拠は?」

証人「30分でしたと言うだけです。ただ、最終的には、6時20分ぐらいに変わりました」

検察官「なぜ?」

証人「少し休んだりした時間分、少しずつずれるのではないかと聞いたところ、押尾被告は『5~10分も休んでいない。2、3分』と言っていたので、それらを勘案して20分ということになりました」

検察官「昨年8月の取り調べのときと死亡時刻が違います。そのあたりの説明は?」

証人「押尾被告は『(事件発覚)当時から弁護人には伝えていたが、死体遺棄罪になってしまうと言われ、まずいと思った。でも本当のことを言わなければならないと思った』と言っていました」

検察官「田中さんの容体の変化については何か主張は変わりましたか?」

証人「特に変わっていません」

検察官「供述に関しての印象は?」

証人「田中さんの容体については非常に細かく提示してきた。リアルでおよそ作り話はないと思われました。死亡時刻について変わった理由はおよそ信じられないものでしたが」

検察官「供述内容はそのまま記載しましたか」

証人「はい。署名もしましたし、押尾被告が抵抗したこともありませんでした」

検察官「勾留(こうりゅう)質問調書を見たときに何か気づいた点は?」

証人「死亡時刻は6時20分と話していたはずなのに、6時15分になっていた。話がまた元に戻っていて、丸暗記しかないんだなと感じました」

検察官「取り調べでの押尾被告の態度は?」

証人「普通に積極的に答えてくれていました」

検察官「供述調書を取る段階で直してほしいと頼まれ、調書内容を変えた部分はありますか」

証人「(今年)1月14日。事件当日の調書について、田中さんが持ってきたMDMAの効き目が強かったと主張し、効果について、『この世に2人しかいないと思った。ずっと愛し合いたいように感じた』と言っていたが、途中で、『ずっと愛し合いたい』は今考えるとちょっと違うというので、変えました」

検察官「田中さんのことを『昆虫』だとか言う不当な発言はありましたか」

証人「押尾被告が『おれも被害者だ!』と強く言っていました」

検察官「担当検事の機嫌をうかがうようなことは?」

証人「押尾被告はその場にいない人を悪く言う。例えば、前の担当検事や自分の弁護士の悪口を言って、私のことを持ち上げようとしていました」

検察官「どういう対応をとったのですか」

証人「弁護士のことでは、私も相づちを打ち、そう思っていると弁護士に伝わると大変だと思い、慎重に言葉を選びました」

検察官「調書の任意性について押尾被告は、あなた(証人)が、侮辱するような態度を取ったと言っていますが」

証人「まったくの心外です」

検察官「追及的な取り調べはいつから始めたのですか」

証人「(今年)1月18日の午後くらいからです。彼の言い分を聞き終えたので、それから疑問点をぶつけ始めました」

検察官「被告が一番反応したのはどんなことでしたか」

証人「死亡時刻です。墨東病院の先生にも話を聞いたのですが、(押尾被告に)『君が言っているのはおかしいんじゃないの』と言うと、押尾君がものすごい切れたというか『ふざけんじゃない』みたいな、『その医者連れてこいよ』と切れたのは覚えています」

検察官「検察官があらかじめ、ストーリーを作って誘導したといわれているのですが、そんな調べはしたのですか」

証人「一切していません」

検察官「1月18日以前に録取した供述調書は、何の誘導も加えていない、(被告が)言いっぱなしとなっているわけですね」

証人「はい」

証人「1月20日ごろだったと思いますが、連日、書面や口頭で苦情の申し入れを受けました。私が侮辱的な発言をしたとか、不適切な発言をしたとかです」

検察官「1月18日以前は苦情はありませんでしたか」

証人「ありません」

検察官「(あたなは)『自分も検事じゃなかったら、MDMAをやりたい』と言いましたか?」

証人「そう取られかねないニュアンスのことは言いました。押尾君に(MDMAの)薬効を聞いたら、『検事さんもやればどうですか』といわれたので、『検事だからできるわけないだろう』と言いました」

検察官「興味本位で彼の私生活を聞いたり、事件と直接関係のないことを聞いたというのが苦情でありましたが?」

証人「雑談で、彼が奥さんのことを話したことはあったけれども自分でせんさくはしていません」

検察官「奥さんとの性交渉について聞きましたか」

証人「ドラッグセックスをしたことがあるのか、とは聞きましたがそれ以上はありません。薬物事犯はパートナーもやっていることがあるので、当たり前のことを聞いただけです」

検察官「押尾被告に対して、このままだと刑務所に行くというようなことは言いましたか」

証人「彼は、追及すると『弁護士さんにそう言われたから』とすぐ逃げるんですが、でも弁護士のアドバイスを受けてその結果、リスクが生じて実刑になった場合、刑務所に行くのは弁護士じゃなくて君だよ、とだから逃げないで答えるように言いました」

検察官の質問終了。
男性弁護人が、質問。

弁護人「昨年の8月27日と28日に押尾さんから任意聴取しましたね」

証人「はい。調書の形にはしていませんが」

弁護人「(墨東病院の)先生からの聴取もやられていますね」

証人「はい」

弁護人「8月27、28日の参考人聴取では、死亡時刻が午後7時40分ごろと聞いたわけですか」

証人「はい」

弁護人「あなたはその時、(その死亡時刻に対して)評価を持っていましたか」

証人「いや、まったく持っていません」

弁護人「(押尾被告が)保護責任者遺棄致死で逮捕された、そのときの容疑事実の内容が、田中さんの容体についてどういう内容か覚えていますか」

証人「今はまったく覚えていません」

弁護人は手元にある資料を読み上げ始めた。被疑事実では、田中さんが『錯乱状態に陥った』と記されている。

弁護人「あなたが弁解録取書を取ったときに、押尾さんが『錯乱状態に陥っていない』と否認したのを覚えていないのですか。(長々と田中さんの様子を書かずに)『錯乱状態を否認した』だけでいいんじゃないですか」

証人「私の前で押尾君が否認したんじゃないかというのは覚えていないですが、私は彼から聞いたことは一通り、弁録に落としているんですよ」

証人は、弁護人の質問の意図を図りかねているようだ。
やり取りがかみ合わず、山口裕之裁判長が割って入った。

裁判長「弁護人が聞いているのは、(錯乱状態を否認したと言っているのだから)細かい話を聞くのがおかしいという議論じゃないですか」

弁護人「そういう調書を取ったときに『細かい事実を積み上げると錯乱状態になるんだよ』と聞いたのですか」

証人「記憶にないんですが、ありません」

弁護人「『エクソシスト』と『呪怨』のことについて聞きます」
弁護人「エクソシストと呪怨について供述調書を取ろうとしましたか」

証人「はい。私も映像を見たのですが、彼が言っていたような、女の子の白目をむくシーンが(エクソシストには)いっぱいあるんですが、どこを特定するのかと。1カ所だけ似ているのがあったので、(被告から)『強いて言えば似ていますね』と言われたので、供述調書にしようとしたら、結局、署名を拒否されました」

なおも、エクソシストと呪怨の話を続けようとする弁護人に対し、山口裁判長がまたも割って入った。

裁判長「エクソシストも呪怨も、証拠になっていないので、あまり意味のある話ではないのでは」

弁護人「(田中さんの)容体が変化した時間についてですが、最初は(昨年8月2日午後)5時45分、次に5時50分と2通りありますがどういうことですか」

証人「5時45分と言いましたが、5時50分には落ち着いていたということです」

弁護人「(押尾被告は)時計は見ましたか」

証人「時計ではなく、(被告の当時の)時間の感覚としてです」

弁護人「それは5時55分か6時という可能性もあるということですか」

証人「(取り調べの際の)押尾君の口から聞いた話だけなので…。はい」

証人「『いつもは(ドラッグセックスを)1時間くらいでも、2回目でクスリが効いていたので(さらに)30分くらい(ドラッグセックスをやった)』ということでした」

弁護人「時間の幅がありますが、これは押尾被告の感覚ですか?」

田中さんの容体変化について、弁護人が許可も得ずに質問を続けていることについて、山口裕之裁判長が注意した上で、弁護人が質問を続けた。

弁護人「今年1月5日の調書では、(田中さんの)容体の変化について5時50分、6時とあり、死亡が6時20分とあるが覚えていますか」

証人「はい」

弁護人「5時50分、6時に容体が変化したというのは押尾さんの感覚によるものなのですか」

証人「6時ごろからエクソシストのようだったと言っていました。最初はごちゃごちゃと独り言を言ったり元に戻ったり、またおかしくなったりと、サイクルが繰り返されたとありました」

弁護人「あなたの方で、(容体変化の時間帯は)このくらいの幅だろうとして感覚で時間をつくったのではないですか」

証人「違います」

弁護人「あなたのこれまでの知識をもとに取り調べを行ったことはありますか」

証人「ありません」

弁護人「以上です」

押尾被告人の供述から事件当日の状況を時系列順に記した証拠書類の別紙の表をもとに、もう1人の男性弁護人が尋問を始める。
法廷の大型モニターには資料内容は表示されない。

弁護人「(証拠書類の別紙の)赤字部分で1月の供述との相違点があります。19時15分に『押尾、蘇生(そせい)をあきらめ、心臓マッサージと人工呼吸をやめた』とあります」

証人「はい」

弁護人「別紙の内容はどの時点での供述ですか」

証人「これは…」

検察側が異議を出す。
話の前提として、この表が供述内容をまとめたものであるかどうか確認する必要があると主張し、認められる。

弁護人「これはいつの時点で作成されたものですか」

証人「担当替えなどもあり、正直分かりません」

弁護人「昨年8月に(押尾被告を)調べた際にまとめたメモですか」

証人「そのときは死亡が7時40分というようなことを言っていたので違います」

弁護人「8月のものとは違うし、いつの時点でまとめたものかも分からないということですね?」

証人「はい」

弁護人「今年1月の取り調べをするにあたりこの別紙は見ましたか」

証人「確かに見覚えはあります」

弁護人「1月の取り調べの際に別紙は参考にしましたか」

証人「1月5日の調べのときには見ていません。急に調べに入りましたので…。別紙を参考に調べたことはありません」

弁護人「押尾さんが平成21年8月に取り調べを受けたときにつくられた警察の供述録書があるのは知ってましたか」

証人「はい。8月には調書の内容にも目を通しました」

弁護人「1月5日の取り調べでは、8月の調書を引用したことはありますか」

証人「ありません」

弁護人「8月16日付の供述録書にエクソシストという言葉がありますが、これは1月の調べの際にも参考にしましたか」

証人「8月の供述をもとにどうこうしたことはありません」

検察官「証人は8月26、27日に押尾さんを聴取して、9月の半ばまで捜査に加わられた。そして1月に担当になられたのですか」

証人「はい」

検察官「押尾被告は本件以前にも逮捕されていませんでしたか」

証人「MDMAの譲り渡しを受け、逮捕されています」

検察官「そのあたりの調べのことなども含めて作成されたメモなのではないですか」

証人「はい。そうです」

検察官「つじつまが合いました。終わります」

山口裁判長がこの日の審理終了を告げる。
次回公判は13日午前10時開廷。

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タグ : 押尾学 田中香織 保護責任者遺棄致死 刑事裁判 初公判 MDMA 救急救命

この記事へのコメント
押尾学被告は消極的な殺人者であり、少なくとも10年以上は投獄しなければおかしい。
悪人・押尾学及び嘘を言って犯人をかばうことを生業としている悪徳弁護士に裁判員はだまされてはならない。
2010/09/16(木) 07:00 | URL | 左巻き菅 #-[ 編集]
薬物って怖いなぁ
2010/09/16(木) 21:56 | URL | wife #qt4Pw9F.[ 編集]
実刑出ましたね
2010/09/17(金) 20:21 | URL | encounter #re6k/U2I[ 編集]
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